シニア期のワンちゃんに多い心臓病。
色々情報を調べるうちに「実際、どうすればいいの…?」と迷ってしまいますよね。
この記事では、心臓を守る食事管理のポイントを獣医師が解説します。
塩分を摂り過ぎない
心臓病のステージに応じて、塩分の量を調整する必要があります。
特に、
プロセスチーズ ▶︎ 350mg
煮干し ▶︎ 570mg
などは、一般的なドッグフードと比較して高塩分な傾向に。
高塩分な食材は程々に抑え、
普段から人間用に味付けされたものは食べさせないよう注意しましょう。
おやつをあげ過ぎない
実は、塩分の摂り過ぎの大きな原因は「おやつ」かもしれません。
おやつの摂取目安は1日の必要カロリーの10%以内ですが、ある報告では、約7割のワンちゃんで10%超えて摂取していることが分かっています。
目安量を超えて摂取すると、塩分の余分な摂取につながります。
せっかく食事(主食)を意識しても、おやつから必要以上に塩分を摂ってしまっては治療の意味をなしません。
まずは、おやつの”量”を見直してみましょう。
痩せさせない
心臓病になったら、むしろ『体重が増えたほうがいい』との報告も。
心臓病が進行すると、
低栄養から筋肉が削れてしまったり、体重が落ちてしまう「悪液質」という状態を引き起こすことがあります。
痩せてしまうとさらに体力が落ちて食欲がなくなり、このサイクルをどんどん助長してしまうため、「痩せさせない」ことは管理の上でとても大切なポイントです。
だからといって、
肋骨が触れなかったり、くびれがなくなるほど太らせてしまうのはNGですが、
愛犬が以前より痩せていないか定期的な体型チェックを欠かさないようにしましょう。
オメガ3脂肪酸をとる
オメガ3脂肪酸のEPA&DHAは、心臓病の悪化要因を抑えてくれる働きが期待されています。
お魚レシピをトッピングで取り入れたり、魚油やサプリの活用もおすすめです。
▼お魚レシピはこちらを参考にしてね▼
治療中の場合はかかりつけの先生に必ずご相談の上、お試しくださいね♪
タンパク質をとる
少し前までは「タンパク質は制限するべき」と考えられていましたが、現在では十分な摂取が推奨されています。
牛赤身肉(かた肉・もも肉など) ▶︎ カルニチンが豊富(心臓のエネルギーを作る)
鶏肉 ▶︎ アルギニンが豊富(血管を拡張させる)
現在の食事内容によってはタンパク質を追加する必要がない場合もありますが、
筋肉量を維持するため不足しないようしっかり摂りましょう。
まとめ
塩分を摂り過ぎないよう“食材”を意識することももちろん大切ですが、それと同じくらい“量”を摂りすぎないよう日頃から意識することも大切です。
心臓病は一度ステージが進んでしまうともとに戻らない疾患なので、変化を”早く”見つけて、進行をゆっくりにすることが何より重要。
心雑音がないか、身体の変化はないか、かかりつけ医で定期的にチェックしてもらいましょう。