自分で食材を選べて、
愛犬の好みにあわせて調整もできる手作りごはん。
メリットの多い選択肢でもありますが、
自己流で作ると「栄養バランスが偏りやすい」という側面も⚠️
この記事では、
手作りごはんで不足しやすい栄養素とその解決策を獣医師が解説します。
カルシウム
海外でも国内の報告でも、カルシウムは不足しがち…!
(海外での報告)
Analysis of recipes of home-prepared diets for dogs and cats published in Portuguese
(日本での報告)
イヌの維持期用手作り食のレシピ調査―手作り食に含まれる栄養素量―
カルシウムが不足すると、
- 骨が脆くなり、骨折しやすくなる
- ミネラルバランスが崩れ、尿石症のリスクを高める
など、ワンちゃんの身体にとって良くない影響を与えます。
対策として、
小松菜やさくらえびなどカルシウムが豊富な食材で補うことも可能ですが、食材が極端に偏らないよう卵殻パウダーやマルチサプリで補う方法がおすすめです◎
亜鉛
手作りごはんの9割以上で不足しているとの報告も!
自身も普段からレシピを確認させていただく機会が多いのですが、亜鉛が充足しているレシピはほとんどありません。
亜鉛は細胞の新陳代謝に関わっており、
不足すると、
- 肌が乾燥する、フケが出る
- 毛並み、毛艶が悪くなる
などの肌トラブルや、全身的な悪影響(免疫力の低下、傷の治りが遅くなる等)を引き起こす可能性があります。
不足しないよう牛肉(赤身)・レバーなどの亜鉛を含む食材を活用したり、亜鉛・マルチサプリ等で補ってあげましょう。
銅
銅はメラニン色素の生成に関わっているため不足すると毛の色が薄くなったり、貧血・疲れやすくなる等の影響を与える可能性があります。
食材としてはレバー類・納豆・小松菜等に豊富に含まれますが、ミネラル成分を補えるサプリを使うと日常的な不足を解消しやすいです◎
ビタミンE
強い抗酸化作用を持つ脂溶性ビタミンで、身体の中の“酸化”を抑えてくれる働きが期待されている栄養素。
特に、近年健康維持に役立つ成分として人気の『オメガ3脂肪酸』は特に酸化しやすいオイル。
身体の中でうまく活用してもらうには、このビタミンEは欠かせません。
食材では緑黄色野菜(かぼちゃ、ブロッコリー等)、魚類(うなぎ、シャケ等)に豊富に含まれています◎
不足しないよう上記の食材をローテーションで加えたり、日常的にはマルチサプリで補ってあげると調整しやすいです。
脂質
お肌の健康維持のためにも、『適度な脂質』は必要です。
摂りすぎてはいけないという意識は大切なのですが、避けるあまり脂質不足のレシピになっているケースが結構目立ちます。
ささみやタラなどの低脂質な食材がメインの時は、オイル等で調整してあげる必要があります。
今一度、愛犬の様子・状態の変化をチェックして、食事内容を見直してみましょう。
まとめ
手作りごはんはメリットの多い選択肢でもあるけど、栄養バランスの偏りには要注意。
我が家は、ワンちゃん用のマルチサプリで不足分を補っています。
もし、
✔️皮膚・被毛がガサガサしてきた
✔️うんちの匂いがキツくなった
など、愛犬の気になる変化が見られていたら、今の食事内容を確認してみましょう。
(かかりつけ医での健康チェックも欠かさずに!)
しっかりバランスのとれた食事でご飯タイムを楽しみましょう🐕✨